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ワードパッドの使い方まとめ:Windows標準搭載の無料ワープロソフト

      2018/07/04

ワードパッドの使い方まとめ

Windowsに標準搭載されているワードパッド(WordPad)の使い方や設定をまとめています。目的の項目に飛びたい方は目次をご活用下さい。

この記事はWindows7を元に作成していますが、Windows10も違いはほとんどありません。

そもそもワードパッドとは?

ワードパッドのアイコン

ワードパッドは、Windowsに標準で搭載されている文章執筆ソフトです。Wordとは違って無料で使えるため、Windows PCを持っていれば誰でも気軽に使うことができます。

「メモ帳」に比べると多機能ですが、「Word」に比べると機能は少なく、その中間に位置するソフトです。

メモ帳とワードパッドとWordの関係

1980年代~1990年代にワープロに慣れ親しんだ世代にとっては、Windows PCで最も馴染みやすいワープロソフトの一つと言えるでしょう。

用途は、仕事に使ったり、趣味の日記を書くのに使ったり、メモに使ったりと様々です。一方、企業などでは、文章作成にワードパッドが使われることはほとんど無く、より多機能な「Word」が使われることが多いです。

ワードパッドはWindows PCにアクセサリとして付いているおまけソフトといえます。

 

ワードパッドでできること

ワードパッドは、文章作成に必要な最低限の機能を備えています。

  • フォントの変更
  • 文字の拡大縮小
  • 文字色の変更
  • 文字の大きさの変更
  • 太字や斜体、マーカーなどの文字装飾
  • 画像の挿入
  • オブジェクトの挿入
  • 印刷など

ワードパッドでできること

デザインに関する機能が乏しいため、チラシなどの作成には向いていませんが、レポート作成などには使えます。

 

起動方法3つ(ソフトの場所なども記載)

ワードパッドを起動する方法を3つ紹介します。

方法1:「スタートメニュー」から起動

① 画面左下の「スタートボタン」をクリック

スタートボタン

②「すべてのプログラム」をクリック

すべてのプログラム

③「アクセサリ」をクリック

アクセサリ

④「ワードパッド」をクリック

アクセサリの中にあるワードパッド

方法2:「ファイル名を指定して実行」を行う

①「ウィンドウズキー (Windowsキー) + R」を押して「ファイル名を指定して実行」ダイアログを表示する

ファイル名を指定して実行

②「wordpad」と入力 → ③ 「OK」をクリック、もしくはエンターキーを押す

ファイルを指定して実行にwordpadと入力

方法3:「実行ファイル」を直接ダブルクリック

ワードパッドの実行ファイルは、「C:\Program Files\Windows NT\Accessories」配下に存在します。実行ファイルの場所がどこにあるのか見つからない場合はこちらを参考にして下さい。

ワードパッドのフォルダの場所(ディレクトリパス)

64bitのOSを使用している方は、以下の2つの場所に実行ファイルが格納されています。

実行ファイルが置いてある場所
  1. C:\Program Files (x86)\Windows NT\Accessories
  2. C:\Program Files\Windows NT\Accessories

「Program Files (x86)」と「Program Files」の違いは、OSが32ビットか64ビットかの違いです。

「x86」と付いているのが32ビット版で、付いていないのが64ビット版です。どちらを起動しても構いませんが、64ビットのOSを利用しているユーザーは64ビット版を起動すると良いでしょう。

使い方

ソフトが起動できたら、以下の例文をワードパッドに打ち込んでみましょう。

桜の季節になりました。

鳥たちのさえずりが響き渡り、雲ひとつない青空の下で両手を広げ、思いっきり息を吸い込むと、心が澄んでいくような気持ちになります。

文字を入力

保存

文章を保存する場合は以下の手順を行います。

①「左上の青いボタン」→ ②「名前を付けて保存」の三角 → ③「リッチテキストドキュメント」

ファイルを保存

④ ファイル名を入力 → ⑤「保存」を押す

ファイルを保存2

ソフトを終了する方法

右上の「×ボタン」を押すと終了します。

ソフトを終了

保存したファイルを再び開く

保存しておいた文章を開く場合は以下の手順を行います。

①「左上の青いボタン」→ ②「開く(O)」

ファイルを開く1

③ 開きたいファイルを選択して → ④「開く(O)」を押す

ファイルを開く2

ファイルを直接ダブルクリックしても開くことができます。

ダブルクリックで開く

ファイルをダブルクリックしても開かない場合は、「.rtfファイルをクリックして起動させるようにする」をご参照下さい。

上書き保存

文章の編集が終わったら、「上書き保存(S)」をしておきましょう。

上書き保存

ファイルを新規から作りたい場合

ファイルを真っさらな状態で作りたい場合は以下の手順を行います。

①「左上の青いボタン」→ ②「新規(N)」をクリック

ファイルを新規作成

印刷の手順

まず、作成した文章がどのように印刷されるか「プレビュー」で確認します。

①「左上の青いボタン」→ ②「印刷(P)」の三角 → ③「印刷プレビュー(V)」

印刷プレビュー

確認した内容がよければ、「印刷」します。

④ 左上の「印刷」をクリック

印刷ボタン

⑤「印刷(P)」をクリック

印刷する

機能一覧

ワードパッドの主な機能のまとめです。

文字入力関連

フォントの変更

フォントを変更する機能です。

フォントの変更前と変更後

① 左上の「フォントファミリ」の右にある「▼(逆三角形)」をクリックすると、フォント一覧が表示されます。② フォント一覧からフォントを選んで変更できます。

フォントの変更

初期のフォントは「MS 明朝」となっています。すでに入力した文字のフォントを変えたい場合は、文字を選択してから適用させましょう。

フォントの拡大縮小

■フォント拡大(文字を大きくする)

「フォントの拡大ボタン」をクリックすると文字を大きくすることができます。何度も押せば、更に大きくできます。

フォント拡大ボタン

■フォント縮小(文字を小さくする)

「フォントの縮小ボタン」をクリックすると文字を小さくすることができます。何度も押せば、更に小さくできます。

フォント縮小ボタン

■フォントサイズを数値で指定

「フォントサイズ(数字)」の右にある「▼(逆三角)」をクリックし、 数値で指定することもできます。

フォントサイズを一覧から選択

また、より細かくフォントサイズを指定したい場合は、数値入力欄に直接数値を入力してフォントサイズを指定することもできます。

フォントサイズを数値で指定

フォントサイズの変更は、選択した文字にも適用できるので、すでに入力した文字の大きさも変更できます。

選択した文字のフォントサイズを拡大したり縮小したりする様子

文字色の変更

「テキストの色ボタン」の右にある「▼(逆三角形)」をクリックして文字色を変更できます。

文字色の変更

文字を入力すると、色が変わっていることを確認できます。

文字色の変更前と変更後

より細かく色を指定したい場合は以下の手順を行います。

①「その他の色(M)...」をクリック

文字色をより詳細に設定する1

②「色の作成(D) >>」を押してカラーパレットを開く

文字色をより詳細に設定する2

③ カーソルとメモリで色を細かく指定して「色の追加(A)」をクリック、④ 最後に「OK」を押します。

文字色をより詳細に設定する3

文章整形関連

字下げ(インデント)

周りの文章よりも一段下げて文章を書くことができる機能です。文章をひとまとまりのブロックとして見せたい場合に有効です。

インデント(字下げ)した様子

字下げする場合は「インデントを増やすボタン」、字下げを戻す場合は「インデントを減らすボタン」をクリックします。

インデントを増やすボタンと減らすボタン

箇条書き

文章を箇条書きにする機能です。

箇条書きの様子

① 箇条書きにしたい文章を選択 → ②「箇条書きの開始ボタン」をクリック

箇条書きの手順

「箇条書きの開始ボタン」の右にある「▼(逆三角形)」をクリックすると、箇条書きの種類を選べます。

箇条書きの種類

行間

文章の行間を縮めたり広げたりできます。

行間を広げた様子

①「行間ボタン」をクリック → ② 数値を選択

行間の設定

位置調整

文字の位置を、「左揃え」「中央揃え」「右揃え」の3つから選ぶことができます。

左揃えと中央揃えと右揃え

①位置を調整したい段落をクリック → ②「位置調整ボタン」をクリックします。

位置調整の手順

画像の挿入

画像を挿入する機能があります。

①「画像ボタン」をクリック

画像を挿入するボタン

② 開きたい画像ファイルを選択する → ③「開く(O)」を押す

画像ファイルを選択

画像サイズの変更

① 画像を左クリック(画像周辺に8つの黒い四角(■)が表示される)

画像のサイズ変更の手順1

② ■のいずれかを左クリックで掴んだままマウスをドラッグすると、画像を引き伸ばしたり縮めたりすることができます。

画像のサイズ変更の手順2

縦と横のアスペクト比(比率)を保ったまま綺麗に画像を拡大・縮小したい場合は、以下の手順でサイズを変更します。

① 画像を右クリック → ②「画像のサイズ変更(R)」

アスペクト比を保ったまま画像サイズを変更

③「サイズ変更ダイアログ」が表示されるので、サイズを数値で指定する(※「縦横比を固定する(L)」のチェックを外すと、水平方向と垂直方向が連動せずに数値を入力できます)→ ④「OK」を押す

サイズ変更ダイアログ

ペイントで描いた絵の挿入

①「ペイントの図形ボタン」をクリック(Windowsの標準ソフト「ペイント」が立ち上がる)

ペイントの図形ボタン

② ペイントで絵を描く

ペイントで描いた絵

③ 右上の「×」を押してペイントを閉じます(※閉じるのはワードパッドではなく、ペイント側です)。

ペイントを終了

ペイントで描いた絵が挿入されました。

ペイントで描いた絵が挿入された様子

画像を再編集したい場合は、① 画像を右クリックして、②「開く(O) ビットマップ イメージ オブジェクト(O)」をクリックします。

画像を編集

現在の日付と時刻の挿入

① 「日付と時刻ボタン」をクリック → ② 挿入したい形式を選択 → ③「OK」

現在の日付と時刻の挿入

現在の日付や時刻が挿入されています。

現在の日付と時刻が挿入された様子

オブジェクトの挿入

エクセルの表を挿入

①「オブジェクトの挿入ボタン」→ ②「Microsoft Excel Worksheet」→ ③「OK」

オブジェクトの挿入からエクセルを起動

④ エクセルが起動するので、データを入力します。

エクセルでデータを入力

⑤ エクセルを右上の「×」で閉じます。

エクセルを終了

⑥ エクセルの表が挿入されています。

エクセルの表が挿入された様子

表のデータを再編集したい場合は、① 挿入した表を右クリックして、②「開く(O) ワークシート オブジェクト(O)」をクリックします。

エクセルの表を編集

挿入されたオブジェクトは、縦幅や横幅の変更ができます。また、左寄せ、右寄せ、中央など、位置を調整することもできます。ただし、Wordのように、オブジェクトを掴んで縦横無尽に移動させることはできません。

挿入したオブジェクトは大きさの変更や位置調整ができる

印刷時に罫線が消えるときは?

エクセルの表は、エクセルからそのままコピーして貼り付けても挿入できますが、これはオブジェクト形式ではなく、リッチテキスト形式(RTF形式)のため、そのままでは印刷時に罫線が消えてしまいます

エクセルからコピーして貼り付けた表は罫線が印刷できない

罫線も印刷したい場合は、貼り付け時に、「形式を選択して貼り付け(S)」から「Microsoft Excel ワークシート(オブジェクト形式)」を指定して貼り付けます。

形式を指定して貼り付け

ちなみに、リッチテキスト形式(RTF形式)で表を挿入しても、エクセル上で引いた罫線は反映されます。ただ、一つ注意することは、罫線の「線の色」の設定が「自動」になっている場合、黒で線を引いたように見えても、ワードパッド上では透明(白)になってしまうことです(そういう仕様)。この場合、黒なら黒にちゃんと指定する必要があります。

エクセルで罫線の色を変更する

意味がよく分からない場合は、とりあえず「オブジェクト形式」で挿入しておけば間違いないと思っておいて下さい。

パワーポイントのスライドを挿入

①「オブジェクトの挿入ボタン」→ ②「Microsoft PowerPoint Slide」→ ③「OK」

オブジェクトの挿入からパワーポイントを起動

④ パワーポイントが起動するので、文字や図形などを入力します。

パワーポイントでスライドを作成

⑤ パワーポイントを右上の「×」で閉じます。

パワーポイントを終了

⑥ パワーポイントのスライドが挿入されています。

パワーポイントのスライドが挿入された様子

数式を挿入

①「オブジェクトの挿入ボタン」→ ②「Microsoft 数式 3.0」→ ③「OK」

オブジェクトの挿入から数式エディターを起動

④ 数式エディターが起動するので入力します。

数式エディターで二次方程式の解の公式を作成

⑤ 数式エディターを右上の「×」で閉じます。

数式エディターを終了

⑥ 数式が挿入されています。

数式が挿入された様子

編集機能

コピー

① 複製したい文章やオブジェクトを選択 → ② 右クリック → ③ コピー(C)

コピーの手順

この段階では見た目の変化はありませんが、コピーしたデータが内部に保持されています。これで「貼り付け」の準備ができました。

貼り付け

① 貼り付けたいところにカーソルを移動 → ② 右クリック → ③ 貼り付け(P)

貼り付けの手順

先ほどコピーした文章(またはオブジェクト)が貼り付けられました。

貼り付けられた様子

切り取り

① 切り取りたい文章やオブジェクトを選択 → ② 右クリック → ③ 切り取り

切り取りの手順

切り取りすると、コピーしたときと同じように内部にデータが保持されています。

④ 貼り付けしたい箇所にカーソルを移動

貼り付けしたい箇所にカーソルを置く

⑤ 右クリック → ⑥ 貼り付け

切り取りした文章の貼り付け

切り取りした文章が貼り付けられました。

切り取りした文章が貼り付けられた様子

「元に戻す」と「やり直し」

入力作業をミスした場合は、「元に戻すボタン」を押して、作業を元に戻すことができます。

元に戻すボタン

また、元に戻しすぎた場合は、「やり直しボタン」を押して、最新の編集状態に戻すことができます。

やり直しボタン

このような機能のことを、「アンドゥリドゥ機能」と呼びます。

設定項目一覧

ページ設定

①「左上の青いボタン」 → ②「ページ設定(G)」

ページ設定を開く

ページ設定では、主に以下のことができます。

  1. 用紙サイズの変更など
  2. 用紙の向きの変更
  3. 余白の調整
  4. 印刷時にページ番号を印刷するかどうか

ページ設定ダイアログ

③ 設定を変更したときは、「OK」を押しましょう。

1行辺りの文字数を調整したい場合は、「余白」の項目で左と右の数値を大きくしたり小さくしたりします。

ショートカットキーまとめ

ショートカットキーを使えば、キーボードで素早く操作を行えます。例えば、「Ctrlキー」と「B」を同時に押すと、太字入力に切り替わります。もう一度、「Ctrlキー」と「B」を同時に押すと、元の入力に戻ります。

ショートカットで文字を太字に

▲ショートカットキーで太字にしている様子。マウスは使わないので切り換えが早い

これらのキーのことを「ショートカットキー」と呼びます。ショートカットキーを使えば、マウスを動かしたり、マウスに持ち替えたりする頻度が少なくなるので、作業効率が向上します。作業効率を上げたい方は、ショートカットキーを多用しましょう。

■文章執筆に役立つ主なショートカットキー

機能 ショートカットキー 覚え方
全選択 Ctrl + A AllのA
太字 Ctrl + B BoldのB
斜体 Ctrl + I ItalicのI
下線 Ctrl + U UnderlineのU
フォントの拡大 Ctrl + Shift + > -
フォントの縮小 Ctrl + Shift + < -
ズーム拡大 Ctrl + マウスホイール上回転 -
ズーム縮小 Ctrl + マウスホイール下回転 -
切り取り Ctrl + X ハサミの形
コピー Ctrl + C CopyのC
貼り付け Ctrl + V Cの隣
元に戻す Ctrl + Z -
やり直し Ctrl + Y -
検索 Ctrl + F FindのF
置換 Ctrl + H -
新規 Ctrl + N NewのN
開く Ctrl + O OpenのO
上書き保存 Ctrl + S SaveのS
印刷 Ctrl + P PrintのP

覚えるときは、「コピー」と「貼り付け」、「元に戻す」と「やり直し」、というようにセットで考えると覚えやすいです。

 

起動ショートカットの作成(素早く起動する方法)

いつでも簡単にワードパッドを起動させられるようにする方法を3つ紹介します。

デスクトップにショートカットを作成する

まず、ワードパッドの実行ファイルが置いてあるフォルダを開きます。

フォルダパス

①「実行ファイル」を右クリック → ②「送る (N)」 → ③「デスクトップ(ショートカットを作成)」

ショートカットをデスクトップに作成

デスクトップにショートカットアイコンが表示されるので、以後はこのアイコンをクリックするだけでワードパッドが起動します。

デスクトップに表示されたショートカット

タスクバーに常駐させる

①「実行ファイル」を右クリック → ②「タスクバーに表示する(K)」

ショートカットをタスクバーに表示する

タスクバーに小さな起動アイコンが表示されるので、以後はこのアイコンをクリックするだけでワードパッドが起動します。

ショートカットがタスクバーに表示された

.rtfファイルをクリックして起動するようにする

.rtfファイルをダブルクリックした場合に、ワードパッドではなくWordが立ち上がってしまうときの対策です。

①「.rtfファイル」を右クリック → ②「プログラムから開く(H)」→ ③「既定のプログラムの選択(C)...」

rtfファイルをワードパッドに関連付け1

④「参照(B)...」をクリック

rtfファイルをワードパッドに関連付け2

⑤「C:\Program Files\Windows NT\Accessories」フォルダ配下にある「wordpad.exe」を選択 → ⑥「開く(O)」をクリック

rtfファイルをワードパッドに関連付け3

⑦「ワードパッド」を選択 → ⑧「この種類のファイルを開くときは、選択したプログラムをいつも使う(A)」にチェックを付ける → ⑨「OK」を押す

rtfファイルをワードパッドに関連付け4

この設定によって、「.rtf形式」のファイルを開くときはワードパッドが起動するように関連付けられたので、以後は「.rtf形式」のファイルをダブルクリックするだけで、ワードパッドが起動します。

 

ワードパッドでできないこと

文字をデザインする機能が乏しい

Wordとは違って、文字に影をつけたり、文字の輪郭に色をつけたりすることができないので、デザインの幅に欠けます。

図形を挿入できない

図形を挿入する機能がなく、グラフィカルな文書を作成するのには向いていません。

画像を縦横無尽に動かせない

画像を挿入することはできますが、Wordとは違って狙った位置に細かく移動することはできません。

表を作れない

オブジェクトの挿入」によって、エクセルから表を挿入することはできますが、ワードパッド単体では表を作成することはできません。

縦書き機能がない(ただし縦書きフォントはある)

縦書きにする機能はありませんが、頭に「@」がついたフォントを使用すると、縦書きの文章を書くことができます。

アットフォントで縦書きに

※「@(アットマーク)」は全角ではなく半角です。

「@フォント」を使っても、半角文字は縦書きにはなりません。「英字(アルファベット)」や「数字」を縦書きにしたい場合は、単語を全角文字で入力します。

半角は縦書きにならない。英字や数字は全角にすると縦書きになる

この「@フォント」を使うやり方には1つだけ欠点があります。それは、文章執筆時に90°回転した状態になるので、入力作業がしにくいというものです。

90度回転した状態

もちろん、印刷時もちゃんと縦書きで出力されますので、印刷に関しては心配いりません。

ただ、快適な環境で入力作業ができませんので、縦書きをよく利用する場合は、Wordを使った方が良いでしょう。Wordは、「ページレイアウトを縦書きにする機能」が標準で搭載されていますので、「@フォント」を使うといった苦肉の策を講じる必要がありません。

どうしてもワードパッドで縦書き文章を作成したい場合は、横書きで執筆した後に、「Ctrl+A」で文章を全選択し、「@」が付いたフォントに変更する、という方法を取ると良いでしょう。

文字数のカウント機能がない

Wordは左下で文字数のカウントを確認できますが、ワードパッドには文字数カウント機能がありません。

文字数を調べたいときは、文字を数えるソフトを使ったり、Web上のサービスを使ったりする必要があります。

文字数を数える代替案については、「ワードパッドの文字数をカウントする方法まとめ」に詳しくまとめています。

罫線が引けない

文字に下線を引くことはできますが、罫線を引く機能はありません。

見出しを付けられない

ワードパッドには、Wordの便利機能の「見出し」がないため、文章を構造化できません。

Wordで文章を構造化した例

Wordは、この「見出し」の機能を使って、目的の場所に瞬時に飛んだり、目次を簡単に作成したりすることができますが、ワードパッドはこれらのことができません。

ワードパッドは文章を構造化できない

ページという概念がない

Wordと違って、文章がページで区切られることはありません。縦に長い1枚の紙を作成するイメージに近いです。ページの概念が無いのはテキストファイル形式(.txt)と同じです。

Wordとワードパッドのページの違い

ただし、印刷時にはちゃんと複数の紙に分かれて印刷されます。縦に長い文章を書いたからといって、1枚の紙に小さな文字がギュウギュウ詰めにされて印刷されるということはありません。

文章の区切りを明示的に示したい場合は、項目となる文字を大きくしたり、記号をつけたりして工夫すると良いでしょう。

Wordとワードパッドの違い

主な違いは、以下の表にまとめた通りです。

メモ帳 ワードパッド Word
値段 無料
(Windows標準搭載)
無料
(Windows標準搭載)
有料
(オンライン年間契約版あり)
機能 少ない 最低限 多い
動作速度 非常に軽快 軽快 普通~やや重い
(PCの性能による)
ファイル形式 .txt
テキスト形式
.rtf
リッチテキスト形式
.docまたはdocx
ドキュメント形式

文章作成ソフトにおいて、「ワードパッド」は簡易版、「Word」は上位版のような位置付けです。

値段について

ワードパッドは無料です。Wordは基本的に有料ですが、メーカーのパソコンを購入した際にバンドル(同梱)されていることも多く、この場合は、パソコンの販売価格に上乗せされているので、実質有料で購入しているのと同じことになります。

動作速度

ワードパッドは必要最低限の機能しか入っていないため、Wordに比べて動作が軽いのが特徴です。しかし、近年はパソコンの性能が向上したことにより、Wordを使う際にもそれほど負荷を感じることは無くなっています。

互換性

Wordはワードパッドのrtf形式(リッチテキスト形式)の文章を開くことができるので、ワードパッドで作成した文章をWordで開く場合は特に問題ありません。逆に、Wordで作成した文章をワードパッドで開く場合は表示が崩れることがあります。

より詳しい違いについては「ワードとワードパッドの違いまとめ」をご覧ください。

どちらを使ったほうがいい?

ワードパッドとWordはどっちがいい?

パソコン初心者の方は、絶対にWordから入ったほうが良いです

なぜなら、Wordを使える人はワードパッドも使えますが、ワードパッドしか使えない人はWordが使えないからです。初心者のうちからワードパッドに慣れ親しんでしまうと、Wordを見たときに機能の多さに戸惑ってしまい、パソコンに抵抗感を覚えてしまいます。

また、Wordの使い方は「エクセル」や「パワーポイント」にも似ているので、Wordを習得すれば他のオフィス系ソフトが使いやすくなるメリットもあります。

Office系ソフトというのは、ワード、エクセル、パワーポイントなどの総称のことです。

より多機能なものに慣れ親しんでおいたほうが、応用力が身に付くというわけです。

Wordの方が仕事に有利

ワードパッドは仕事で使う機会がほとんどなく、Wordを使えた方が就職などにも有利です。ですので、例えば、お子さんにこれからパソコンを教えたいというときは、ワードパッドではなくWordを教えることをおすすめします。

無料のメリットはほとんど無くなった

ワードパッドは無料で使えるため、Wordをインストールしていない人にとっては、文章作業の必需品のようなものです。しかし、最近は無料で多機能なOfficeソフトが色々あるので、あえてワードパッドにこだわる必要も無くなっています。

動作が軽いメリットも薄れている

ワードパッドは動作が軽快というメリットもありますが、近年はパソコンの性能が上がっており、Word自体もそれほど重くないため、あえて低機能のワードパッドを使う意義は薄れています。

しろ
これらのことを理解した上で、もしワードパッドが気に入ったのなら、ワードパッドを使っても良いでしょう。

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